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JR各社が 1987年4月1日発足して 30周年となったので、 JR東日本は 新幹線の周年記念きっぷとは別に 「JR東日本30周年記念パス」を発売します。
夏休みの7月末11日間を対象に 「人によっては 」お得なきっぷです。
「人によっては」というのは 「青春18きっぷ」や「北海道&東日本パス」「三連休東日本函館パス」との比較が必要なのです。

※ 「JR東日本30周年記念パス」

大人 13000円 利用期間 2017/7/21 〜 31 

3日間普通列車フリー(特急券追加購入で 特急新幹線乗車可能 ) 

要 3日前までに購入 



7月21日からの 11日間に設定


「JR東日本30周年記念パス」は、

JR東日本の全線と、青い森鉄道、IGRいわて銀河鉄道、北越急行の全線の快速・普通列車自由席とBRTが 乗り放題になるきっぷです。

また 特急券を別に購入すれば 新幹線・特急列車等にも乗車可能です。


利用期間は 7月21日~7月31日までの11日間。このうち連続する3日間利用です。


発売は 利用開始の1カ月前から3日前までなので 突然の出発には向きません。

(販売期間 6/21~7/26 ) 

価格は大人13,000円、子ども3,000円。 


有効期間:3日間

利用期間:2017/7/21 〜7/31

発売期間:2017/6/21 〜 7/26 

発売箇所:利用の1ヶ月前~3日前

発売箇所:JR東日本の指定席券売機・みどりの窓口・びゅうプラザ・主な旅行会社など 


※ 「30周年記念パス」の効能 
JR東日本全線、青い森鉄道線全線、IGRいわて銀河鉄道線全線、北越急行線全線の普通列車(快速含む)の普通車自由席 及び BRT が連続する3日間乗り降り自由。


別途 特急券等を購入すれば、新幹線・特急列車も利用可能。


奥羽本線の新青森~青森間相互発着に限り、特急券不要で 特急列車の普通車自由席に乗車可能。

全車指定席の普通列車の普通車にも 指定券追加購入すれば 乗車可能。


北海道新幹線の新青森〜新函館北斗間、北陸新幹線の上越妙高~金沢間、東海道新幹線 利用不可。



「JR東日本30周年記念パス」は、函館に行かない人が、JR東日本エリアの鉄道を乗り歩くには悪くないきっぷです。 


 

発売価格13,000円ということは、片道6,500円以上を乗車すれば、単純往復で 元が取れます。(JR東日本の幹線運賃表では、401km以上が 該当 ) 

例えば 東京から 東北新幹線なら 仙台を過ぎて 2駅目の くりこま高原以北です。東京から宮城県北部の古川からの鳴子温泉くらいで元値。

 岩手 秋田 青森へ 3日間以内で往復するなら、それだけでお得です。


狙い目は、北東北エリアです。

週末パスの範囲外へ、鉄道で周遊旅行をするのが最適といえます。


この時期は「青春18きっぷ」や「北海道&東日本パス」も 販売されていますので、5日間とか普通列車しか使わないなら それらの方が得です。


※ 「青春18きっぷ」11850円 

夏季は 2017/7/20 〜 9/10までJR各社の各駅停車のみ利用可能。任意の5日間利用。

IGRいわて銀河鉄道 青い森鉄道は 利用制限あります。

北海道新幹線は 奥津軽いまべつ駅 〜 木古内駅間に限り別途特別なオプション券購入して利用可能。


※ 「北海道東日本パス」

夏季は 2017/7/1 〜 9/30 10850円

連続する7日間各駅停車フリー 

新青森 〜 新函館北斗駅間 特急券追加購入にて北海道新幹線乗車可能。

IGRいわて銀河鉄道 青い森鉄道利用可。


「JR東日本30周年記念パス」は、特急券追加購入を払って 新幹線や特急を利用する人向けのきっぷです。

「18きっぷ」よりお得なのは IGRいわて銀河鉄道や 青い森鉄道が追加料金不要なのと 18きっぷの5枚を使いきれない人の場合です。



※ 「三連休東日本・函館パス」と

1050円しか 違わないのに 函館や新函館北斗まで利用できない のですが 利用期間が 三連休と制限があるのです。(2017年度に三連休東日本・函館パスが 使える機会は6回しかありません ) 

函館への旅行なら 以前のブログを参考に 三連休限定ですが 「三連休東日本・函館パス」に 新幹線特急券追加購入して ご利用すれば 絶対お得です。 


国鉄時代に 特急寝台を電車で 作製したのが この電車寝台です。それまでの寝台は 機関車に引かれて走る列車寝台だったのを 昭和42年 新大阪から博多を結ぶ 寝台特急 「月光」用に 581系が 作製されました。この583系は 同じ車両ですが 電気系統のみ異なります。581系は 交流60ヘルツ対応  583系は 青森電化に合わせて 交流 50/60ヘルツ と直流1500ヘルツにも対応して 全国走れる車両です。
月光で デビューしたので 月光型との愛称が付けられています。
ボクも 581系の月光に 新大阪から 小倉を往復して 思い入れのある車両です。
昭和42年 1967年デビューとなると 50年の歴史です。こんなに長く使われたのは 昼間の特急として使える汎用性の高さからでしょうか。
2等寝台は 三段寝台で 1段目が たっぷり向かい合う4人席分あって2人寝られる広さでしたが 2段目は まあまあ 3段目は 小さな窓があるけど 天井も近く 非常に厳しい広さでした。

最後の1編成 

「クハネ583-8   モハネ582-106 モハネ583-106  モハネ582-100 モ ハネ583-100 クハネ583-17 」


以下は 鉄道新聞の記事 そして 
その下に JR東日本 秋田支社の旅行商品のニュースリリースの抜粋です。
※ 「ありがとう583」の行き先 湯沢温泉は 奥羽本線 秋田県内の往復 です。
※ 「さよなら583」は 秋田駅発弘前往復 と 弘前駅発 秋田往復です。

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特急電車寝台583系 完全引退 

JR東日本秋田支社 特急形寝台電車「583系引退」団体旅行商品 発売

   

2017年02月17日 18:57

Posted by 鉄道新聞 



JR東日本秋田支社は このほど、同支社に所属する特急形寝台電車「583系」が 2017年4月8日の秋田駅~弘前駅間の運転を最後に 引退すると発表した。


「583系」電車は、旧国鉄が 設計製造した交直両用特急形寝台電車。運行列車の減少により廃車が進み、秋田車両センター所属6両編成(国鉄色)が 団体臨時列車用として 活躍を続けてきた。


団体旅行商品「ありがとう583系」「さようなら583系」を 発売する。



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ありがとう583系 

さよなら583系 団体旅行商品 


JR東日本 秋田支社 

http://www.jreast.co.jp/akita/press/pdf/20170217-2.pdf 


1 団体旅行商品 下記の3コースをご用意しました。

「583系」最後の旅をお楽しみください。


(1) 「ありがとう583系 増田の蔵と日帰り温泉の旅 」

(秋田発⇔湯沢コース:オリジナル記念乗車証付き) 


1 出発日   2017年4月2日(日)

2 旅行代金 

おとな 9,800 円(こども 7,000 円)

3 募集人員

300 名様(最少催行人員 200 名様)※1名様からお申込可 (※) 

4 行程 

秋田駅 9:39 → 湯沢駅11:05 着===温泉で 昼食==増田の蔵めぐり===道の駅(お買い物)=== 十文字駅16:19→ 秋田駅17:35着 

(※温泉は、上畑温泉さわらび・旅館多郎兵衛・あいのの温泉鶴ヶ池荘から選択) 



  (2) 「さようなら583系 日帰りの旅(秋田発) 」

 (秋田発⇔弘前コース:オリジナル記念乗車証、オリジナル掛け紙のお弁当付き)

1 出発日 2017年4月8日(土)

2 旅行代金 

おとな 8,800 円(こども 5,000 円)

 3 募集人員 

300 名様(最少催行人員 200 名様)※1名様からお申込可 

4 行程 

秋田駅 7:21→ 弘前駅 9:27 着(ご自由にお過ごしください) 

弘前駅 17:35 → 秋田駅 20:23 着


 (3) 「さようなら583系 日帰りの旅(弘前発) 」

 (弘前発⇔秋田コース:オリジナル記念乗車証、オリジナル掛け紙のお弁当付き)

1 出発日 2017年4月8日(土)

2 旅行代金 

おとな 8,800 円(こども 5,000 円)

3 募集人員 300 名様(最少催行人員 200 名様)※1名様からお申込可 


 4 行程 

弘前駅10:00→ 秋田駅 12:30 着・ (ご自由にお過ごしください ) 

秋田駅14:50 → 弘前駅17:07 着 


予約開始日時および予約受付箇所

2017年2月20日(月) 14時00分

◯ 秋田県内のびゅうプラザ 

◯ びゅうプラザ弘前駅

◯ びゅう予約センター秋田 018-837-6512 

びゅう予約センター弘前 0172-32-2229 

専用チラシをご覧ください。


欅ゲストハウス 
人気のゲストハウスです。
仙台地下鉄 南北線も 東西線も 駅から10分くらい。だったら 歩いちゃえ!
仙台も アーケード街が続きます。
七夕で有名な 一番街 から 
もうちょっと。
虎屋横丁を 数分進むと 右手にあります。

欅 ゲストハウス!
入ると すぐバーコーナー。
こちらは 夜11時まで。1杯500円くらいです。
地元の若者も 時に寄っていくそうです。
地元のコミュニティにもなっているのは 珍しいタイプのゲストハウスです。
この日は マレーシアからの女性2人が 英語で お話ししていました。

 (暗いまま 撮ってしまいました)
こちらは フリースペースです。
旅の情報交換はこちらで。

若くて美人の女将代行の 美翔さんが いろいろ教えてくれます。
飲食店やコンビにも近い中心街です。

青森駅表通り。
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出発前に目を付けていた 駅前通りの
「お食事処 おさない」へ。
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「しゃこちゃん丼」1550円
うに いくら 帆立!
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ざっぱ汁 。
青森の人には ソウルフードなのでしょうか。ボクには ちょっと 合わなかった。

そして 
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 あと1時間少々は 「青森まちなか温泉」へ。タオルとか用意できていれば なんと銭湯価格の420円で 入れます。
雪が降って 外には 居づらい季節 あったかいんだから!
もっと ゆっくりしたかったです。
駅から徒歩10分以内の 便利な場所にあります。

青森駅へ 向かうと 急行 はまなすの 周りは 大撮影会に なっていました。

福島駅前。駅前5分くらい。

カラオケスナック 「愛光」
福島県福島市陣場町3-11    


長い間 アメリカに住み 6年前から このお店を開店したマスターは 神奈川県生まれ。
「写真撮っていい?」と聞くと わざわざ奥へ 帽子を取りに行って ポーズしてくれました。
陽気なお客様で 満ち足りた時間を過ごせました。
おつまみも いっぱい。
全部で 2000円 という驚きの値段。
良心的なお店です。

いやあ、福島いいとこ 一度はおいで の気分でした。

半兵エ 福島駅前店   
福島県福島市栄町6-7  

古い映画のポスターが ライトアップされている 不思議な お店。
1階なのに 窓はなく 入口も こんな感じ。
琺瑯看板の イカリソース が でかい顔しています。

表に こんな感じの すごい安いメニューが、、
ホンマかいな? と ちょっと入りにくい戸を押すと、 
中にも戸があり、ガラスの保護は 戦時中を イメージしています。
すると、店員さんが 戸を開けてくれます。
駄菓子バーなのかな? 
琺瑯看板が これでもか と並ぶ。今時 琺瑯看板も 相当お金が かかっているのでは

さて、カウンターの席に案内される。
安心の 生キャベツ 380円が お通し。
飲み物も安い。
焼酎は 180円から。トリスなら 190円。
飲み放題も 1200円 2時間。
日本酒 290円 まぁ 4杯飲めば元取れる。
おでん 選んで 60円 ×5 → 300円 、
お任せなら 5点で 280円。
焼き鳥は さすが一串 50円なので かわいらしい。ネギ60円 手羽先 90円。
安い、うまい!
グラスのは サービスのスープ。
日本酒は 少し飲んでしまった写真。実際は グラスだけでなく 升からも こぼれて カウンターにも飲んでもらうくらい。
スルメ 150円 ちゃんと立派なあたりめ!
安いよ、うまいよ!
キャベツのお代わりも 聞きにきてくれた。親切なお店です。
生ビール一杯 日本酒三杯で、ようやく飲み放題の元をとった。

駅前の 一本裏の通り。
チキンラーメン とか お茶漬けも 200円。
食べたかったかも。

昭和の懐メロ きっと 当時リアルタイムに聴いていたお客様は 1人も いない気がします。

青春18きっぷファンの 皆さん。季節が 終わったと お嘆きかもしれませんが、どっこい JR東日本に限っては まだ 9/30 まで 延長戦が あります。

実は 連続7日間有効の もっとすごいパスが。JR東海 西日本 四国 九州の方には 申し訳ありません。

それは、以下に ご紹介の 「北海道 & 東日本パス」です。
7日間有効期間で、 値段は 10290円 
18きっぷより安いです。
便利なのは、急行券を買えば 急行はまなす に 乗れること。
また 新青森〜函館駅間の 特急にも 特急券のみ追加すれば 乗れます。
そして 「青い森鉄道」「 IGRいわて銀河鉄道」 にも 追加料金なしで 乗れます。
途中下車自由です。
方向違うけど ほくほく線も 乗れますし、もう一つおまけで 富士急も 乗れます。
JRは 東日本と 北海道のみです。
なので 当然 IR石川鉄道 あいの風とやま鉄道は 乗れません。
通常の 特急は 18きっぷと 同じで 乗れません。

でも、北へ もしくは JR東日本だけ 各駅停車の途中下車の旅には これ すごいお得です。
来年には、急行はまなすが 廃止されることが 発表されたので ラストチャンスです。

以下 JR東日本の ホームページより 


北海道&東日本パス  
普通列車限定 有効期間 7日間 
大人  10,290円  こども 半額 

JR北海道線、JR東日本線、青い森鉄道線、IGRいわて銀河鉄道線、北越急行線、富士急行線の普通列車の普通車自由席及びBRT(バス高速輸送システム)をご利用になれるお得なきっぷ。

発売期間
春季用: 2015/3/5 〜 4/17 
夏季用:2015/6/20 〜 9/24 
冬季用:2015/12/1 〜 2016/1/4 

ご利用期間
春季用:2015/3/14 〜 4/23 
夏季用:2015/7/1 〜 9/30 
冬季用:2015/12/10 〜 2016/1/10 

発売箇所
JR北海道 みどりの窓口 ツインクルプラザ JR北海道プラザ、
JR東日本のみどりの窓口
びゅうプラザ、 

JR北海道 東日本エリアの旅行会社 

フリーエリア
JR北海道 JR東日本 
青い森鉄道線・IGRいわて銀河鉄道線・
北越急行線・富士急行線
(JRバス除く)

注意事項
普通・快速列車のグリーン車自由席に 限り、グリーン券を 別にお求めになれば ご乗車になれます。
※特急(新幹線含む)・グリーン車等に乗車する場合は  特急券・グリーン券等の他、
別に 普通乗車券が必要です。 

※ 函館~新青森間内相互発着の場合(青森~新青森間相互発着及び 木古内~蟹田間内相互発着の場合は、本きっぷのみで 乗車に なれます)に限り、別に自由席特急券を お求めいただければ、特急列車の普通車自由席にご乗車に なれます。

※ 津軽海峡線「木古内~蟹田」間、石勝線「新得~新夕張」間、奥羽本線「青森~新青森」間は、特例として 当該区間内相互発着の場合に限り、特急・急行列車の普通車自由席に ご乗車になれます。ただし、特例区間外に またがって ご利用になる場合は、乗車全区間の乗車券及び特急券が 必要です。
(函館~新青森間内相互発着の場合を除く) 

※急行列車に 乗車する場合は 急行券等を 別にお求めになれば ご乗車になれます。 

※快速・普通列車の普通車指定席を ご利用の場合は 別に座席指定券が、
「ホームライナー」等の ライナー列車を ご利用の場合は、別に乗車整理券または ライナー券が必要です。 

※富士急行線の「富士登山電車」を ご利用の場合は 着席券が 必要です。また「フジサン特急」を ご利用の場合は 別に 乗車券及び 特急券が必要です。 

※ 乗車日が翌日にまたがる場合は、乗車した列車が 0時を過ぎて最初に停車する駅まで有効です。ただし、東京の電車特定区間内は最終電車までご利用になれます。

※列車が 運行不能 および 遅延した場合でも 払戻しは いたしません。また、有効期間の延長も いたしません。

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 仙石東北ラインの 効果抜群ですね。
震災で 仙石線に 普通区間があった時には、石巻から 仙台へは 小午田経由で 2時間近くかかり、「東京~仙台より遠い、仙台~石巻」と 揶揄されていたそうです。それが、最速 52分で結ぶのです。



震災前 
震災後 直通快速は 少なかったようです。

なんにしても、みんなが幸せになれる成功例です。

HB210は 東北本線は 交流饋電方式、仙石線は 直流饋電方式と それぞれ電気方式が異なるのと  仙石線・東北本線接続線が 非電化区間となるため気動車による 直通運転となり、ディーゼルハイブリッドシステムを搭載した本車が 開発された。


以下  2015年07月23日  東洋経済 土屋 武之さん   鉄道ジャーナリスト の記事

仙石東北ラインが 他の被災路線と違う理由    4年ぶりに あおば通~石巻間の  全線運転再開 



仙石東北ラインに投入されたディーゼルハイブリッド車両。発電用エンジンと 蓄電池を搭載し、電気で走る。

早期の復旧が 待ち望まれていた仙石線

2011年3月11日の 東日本大震災による 津波で 長く不通となっていた、仙石線 高城町~陸前小野間の
工事が完成し、2015年5月30日より あおば通~石巻間の 全線で 運転を再開した。うち 陸前大塚~陸前小野間は、東松島市の復興計画に従って 内陸側の高台に建設中の 「野蒜北部丘陵地区」へ、旧線からの直線距離にして 約500m移設して新線を建設したもの。同区間にあった 東名、野蒜の両駅も 新線へ 移転している。

宮城県は「一極集中」の傾向が 顕著な県で、県全体の人口が 約232万人なのに対し、県庁所在地 仙台市の人口は 約107万人に達しており、約46%もが集まっている。 東北新幹線の駅や 空港を通じての県外との交流拠点としても、むろん 仙台市の重要性は ゆるがない。

では、宮城県第二の都市は といえば、人口約15万人と 仙台市の約14%にすぎないが、石巻市なのだ。

JR東日本が公表している1日1kmあたりの 利用客数を表す仙石線の「平均通過人員」は、震災前の2010年度には 2万1450人あった。
これは 首都圏の 五日市線、内房線に 対しても
遜色のない数字だった。宮城県第1、第2の都市を結ぶ路線としても、仙台近郊の通勤通学路線としても、仙石線は 重要な路線で、それだけ早期の復旧が 待ち望まれていたのである。

ただ、
他の被災路線と比べて、今回の運転再開は 少し
異なったスタイルとなったことに 注目したい。

仙石線復旧と同時に、仙石線と 東北本線を直通する 新しい運転系統「仙石東北ライン」が 開業。
仙台~石巻間に 特別快速、快速を 合わせて 14往復の運転が 始まったのである。

仙石東北ラインとは、
松島駅付近で 近接していた 仙石線と 東北本線との間に約300mの「接続線」を建設し、仙台~石巻間を 東北本線経由で 運転するというもの。
1日1往復の特別快速は、震災前の仙石線経由の
快速より 下り12分、上り11分、所要時間を短縮している。

震災までの仙石線と 東北本線の運転系統は 完全に別で、被災後も 仙石線の快速は、早期に復旧した 
あおば通~高城町間で 運転を 再開していたが、

仙台と石巻との間の交通手段を 確保するため、東北本線・小牛田経由の「直通快速」も、臨時列車 として 1日2往復設定されていた。これは途中駅では 乗降できず、まさに 両市を直結する列車で あった。

これらの仙石線の 快速と 直通快速を 統合する形で開業したのが、仙石東北ラインだ。
石巻のみならず 高城町~石巻間の主要駅と仙台との間の「速達化」を図ったのである。

引き換えに 今回、仙石線の快速は 廃止され、あおば通~高城町間は 普通列車のみの運転となっている。
高城町~石巻間では、仙石東北ラインと あおば通~石巻間の 普通を合わせ、震災前と同じ33往復の
運転が 確保された。

同時に、利用率が 芳しくなかった 仙台~松島間の東北本線の 区間運転列車(普通)も 仙石東北ラインに整理、統合されており、一部の快速が 代替として仙台~塩釜間の各駅に 停車。同区間に おいては 列車本数が 減った。

また、ミヤコーバス(宮城交通の子会社)が運行していた 仙台~石巻間の高速バスが、5月30日より、平日ダイヤで 36往復から 29往復に減便された。
これらの点には 留意しておきたい。

接続線の総事業費は 約18億円。約100億円と見積もられていた 仙石線不通区間の復旧費用より、ずっと少ない投資でより大きな効果。
具体的には 交流強化に よる地域復興への後押しが望めるとして、事業化されたものだ。

事業費のうち、宮城県が 約2億2000万円  仙台市が 約1億1000万円  東松島市が 約4500万円、石巻市が 約6500万円を  補助金として 負担しており、その総額は 約4億4000万円に のぼる。
なお、東松島市と 石巻市の 負担割合は 0.41対 0.59で、これは 国勢調査による、仙台市への通勤通学者の割合に 基づいている。

天災で 鉄道が大きな被害を受けた時、「復旧と同時に 改良工事を行え」という論が、よく生まれる。
この論の根底には、1959年の伊勢湾台風に より 近鉄名古屋線が 壊滅的な打撃を受け、復旧の際、同時に1067mmから1435mmへの改軌工事を 実施。1435mm軌間だった 大阪線との直通運転を 可能とし、大阪~名古屋間ノンストップ特急の運転が始まったことが ある と思われる。
ただし、この改軌工事は 伊勢湾台風以前から 計画
準備が 進められており、台風被害によって 実施時期を繰り上げただけであることを 忘れてはならない。
突然の災害で 奪われた日常生活を取り戻すべく、まさに 不眠不休で復旧に追われている地元に 改良を行う余力まで求めるのは酷で、安易な空想論は 慎むべき と思う。

仙石東北ラインに 乗ってみた

東日本大震災に おいても同様で、山田線、大船渡線、気仙沼線などは 復旧の基本方針においてすら 紆余曲折を経てきている。

その中にあって、
震災後に 具体化した計画(2012年10月18日に JR東日本仙台支社が 公式発表)として 仙石東北ラインを実現させたことは、まさに 異例中の異例。
復興への積極的な施策として 大いに評価できる。比較的少ない投資で 大きな時間短縮効果が 期待できること。
接続線部分における1日の利用客数予測が3000人という 需要の大きさなどが、JR東日本と地元自治体が 計画を推進した基礎となったことは間違いない。

仙石東北ラインの開業後
朝の仙台行きと 夕方の 石巻行きに乗車してみた。

仙台~石巻・女川間で 発売されている往復割引きっぷ。大幅な割引に より、誘客を図っている。
きっぷは、8月31日発売までの限定で「仙台⇔石巻・女川開業記念往復割引きっぷ(1200円)」が あったので 利用した。
仙台~石巻間は 片道普通運賃が 840円なので、
かなり割り引かれている。ソフト面からの 
交流促進を図る施策で、良い企画と思う。

朝は 石巻6時35分発・仙台7時35分着の快速。
この時間帯は 東北本線の列車も多いため、9時前に仙台に着く 仙石東北ラインは、この1本しかない。そのためか、 石巻発車時には ほぼ席は埋まり、次の停車駅の 陸前山下から乗った人は もう座れない。東北本線に入る時には 4両編成の列車が 乗車率100%ほどとなっていたから、400人以上の利用が あったことになる。石巻から 乗った人のほとんどが 仙台まで乗り通した。

夕方は 仙台18時19分発・石巻19時17分着。
これも朝と同様で、石巻まで 乗り通す人が多く、発車間際に乗り込むと 仙石線に入るまで 立ちっぱなしになる。
仙台対 東松島市内(陸前大塚~陸前赤井間の各駅)と、仙台対石巻市内(蛇田~石巻間の各駅)の利用客数の比率は、まさに 0.41対0.59(4:6)というのが 実感に近い。
いずれの市も、対仙台の鉄道利用は 仙石東北ラインへ かなりの数が 移行したことだろう。

開業から 2カ月余りが 過ぎ、仙石東北ラインは すでに 沿線住民の間で 定着した感があるが、では 今後、さらなる復興促進へ向けての課題は ないのであろうか。

まず、日中の列車には 余裕が見られたが、
朝夕は かなりの混雑が すでに生じているゆえ、今後の利用客増加を 見越すなら、輸送力増強が 
必要だろう。仙石線内の線路設備の関係で 4両以上への増結は難しいので、増発ということになる。
安定した輸送が できる鉄道へ誘致し、交流を活発化させるのなら、特に ラッシュ時は もう少し本数を増やし、快適な通勤をアピールしてもよさそうだ。

駅を中心とした町づくり

仙石東北ラインの 輸送力増強は、津波被害による高台への集団移転により、駅周辺に 住宅や公共施設を 集中的に固めた町となる、「野蒜北部丘陵地区」の機能性アップにも つながる。安全な住まいを 建設しても、便利な町で なければ 定着は進まない と  考える。
新しい 野蒜、東名駅の周辺は、各地で提唱されている「コンパクトシティ」のモデルとも なりうる。

同様のことは、やはり町の高台への移転を前提として、3月21日に移転開業した 石巻線の 終点 女川にも言える。ここでも 駅を中心とした町づくりが進められており、すでに 土地のかさ上げ工事や 周囲の造成は、相当進んでいるようだった。

高台に再建された石巻線女川駅。女川町営バスも乗り入れ、交通ターミナルとしての機能も 持つ。
今は 駅と公共施設が 多少あるだけのような状態だが、町の再建と合わせた、女川への 仙石東北ライン乗り入れにも 期待したい。すでに 女川町などは JR東日本へ要望しているとのこと。
仙石線と 石巻線の間では貨物列車が 直通運転しており、設備上は すぐにでも 可能だ。休日の観光臨時列車あたりから 実施するのが よいと思う。

仙石東北ライン開業に 当たっては、新造の ディーゼルハイブリッド車両が 全列車に 投入された。
だが 単なる直通運転であるならば、保安装置さえ整えれば、輸送力の増強や  運転区間拡大は 高価な新車に こだわる理由はなく、既存のディーゼルカーの転用でも構わない。
機敏かつ柔軟な対応を 望みたい。

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